2011年12月4日日曜日

落下







                                                                                                                       






ブログ上でみると動きがもっさりしちゃってだめだわ…
動画をPCにコピーしてからQuickTime Playerとかで見た方がいいみたい。
皆さんはべつにそこまでせんでもいいですが。。。





2011年11月24日木曜日

韓流カルト映画の毒に痺れる

『下女 監督:キム・ギヨン/韓国/1960年


げじょ【下女】②炊事や雑事に召し使われる女性。はしため。女中。下婢。(広辞苑 第四版)












1960年に韓国で公開された映画。タイトルがストレートですごいです。下女という言葉、日本ではあまり使いませんよね。「お手伝いさん」とか「家政婦さん」などの言葉がしっくりきます。日本ではお手伝いさんも家族の一員で、家事を手伝ってくれる人、というイメージが強いですが、この映画を観ていると韓国における下女の扱いが相当ひどいもんだと分かります。言葉からして「下女」だもんなあ。


さて、あらすじをば。
工場の合唱部を指導するピアノ教師、トンシク。彼は妻を愛し、子どもたちを愛する男前。彼に恋する女工も数知れないが、決して浮気などしない。
真面目にこつこつ働いたのと、妻が内職で家計を手助けしたお陰で、念願の2階建てマイホームを手に入れる。ところが、長年の苦労がたたり、妻が倒れてしまう。広い家、家事を一人できりもりするのは大変だ。そこで、自宅によくピアノを習いにくる教え子に、家政婦を紹介するよう頼んだ。
ところがその教え子は、以前トンシクにラブレターを出したかどで停職にまで追い込まれた親友の仇をとろうとしていた。そこで、タバコを吸うくせのある新入りの女工をトンシク宅に差し向けるのだが……。


女性たちが感情をあらわにし過ぎていて、引きました。いや、映画の序盤にラブレターをピアノに入れた女工さんは、奥ゆかしくてかわいらしかったけども。その後に出てきた女性たちはトンシクに告白するも拒絶されると自分のブラウスを引きちぎり、「襲われそうになったって警察に言うわ!」とか、そういうのんばっかり。
あらすじには、親友の仇をとろうとしている教え子さんが差し向けた家政婦さん、となっていますが、差し向けたものの何をしようとしていたのか、謎。フィーリングで「まあ、家庭をしっちゃかめっちゃかにしてやろうとしたんだな」とは分かりますが、しかし家政婦さんにトンシクと一夜を共にせよとまでは言っていないだろうし、愛人の座にまでのぼりつめた家政婦さんに、紹介人の教え子さんが追い払われてるしなあ。何だったのだろうか。

しかし恐かった。家政婦さんが。
自分で誘惑しておきながら、「もう私は処女じゃないのよ」と責任をとれ的発言。しかもその一夜だけで家政婦さんは身ごもってもうたので、もう大変です。
良心の呵責やなんやかやで追いつめられたトンシクさん、思い切って奥さんに打ち明けます。奥さんはたとえあなたが強盗を働いても許すみたいなことを言っていたのに、いざ旦那から浮気相手を孕ませたと告白されると「そんな汚い体で私をだいてたの? 汚い! さわらないで!」 あっさり旦那を拒絶。それだけは許せないということでしょうか。
でも、さすが奥さん。家庭と子どもたちを守るため、家政婦さんに直談判します。
「いいわね、じゃあこうしてちょうだい」。家政婦さんに耳打ちし、同意を得た後で旦那と一緒に玄関の外に出る。中からガタガタガタン、物音と共に女の叫び声。中に入ってみると、家政婦さんが倒れている。2階から転げ落ちたのだ。
……何ですか、このドロドロした感じ。

そういうのが、ずっとずっと続きます。
ラストの、妻の元に行こうとする愛しいトンシクを、足下にすがりついて止めようとする家政婦さんのシーンはまぶたにこびりつきます。家政婦さんの、階段で仰向けになる死に方もすごい。これは今まで観た映画の中でもけっこうな名(迷?)シーンになるのではないかと思ったりして。

ところが、本当のラストシーンで度肝を抜かれました。こ、これはひどすぎる!
ネタバレを避けながらその感想を言いますと、ひどすぎるが、しかし場合によっては作品を別の角度から捉え直すことも可能だと思わされました。
つまり、この作品のすべてがトンシクの妄想かもしれない、ということ。
出だしの、「ピアノにラブレター事件」から妄想が始まっています。
女工さんたちにモテモテな俺、でも妻への愛をつらぬく俺、家政婦さんに言いよられて困る俺、でも家族への愛は変わらない俺、かっこいい! ……みたいな。
まあ、だからってラストのガッカリ度は下がりませんけども。

しかし、見ている間それなりにドキドキハラハラしましたし、昼ドラみたいで面白かった。
でも、私はやはり「感情をあらわにしないけど相当な恨みを抱いていて、こっそり復讐する地味な女」に恐怖を覚えます。例えば岩井志摩子の「密告箱」に出てくる、コレラ患者が出た家の側の川で、旦那のご飯用の水を汲む女とか。
この映画に出てくる女の人たちはぎゃあぎゃあ騒がしいですが、でも自分の感情にストレートで、同情できます。


(部員Z)














ピアノ教師と美人妻、その子供達の住まう家庭にやってきた家政婦さん。家長からは「ピアノには絶対触るな」ガキからは「(テレビを)お前には見せないぞ」等々言い放たれ、まさに“下げずまれる為の女”故に“下女”と呼ぶと言わんばかりに忌み嫌われておりますが…さて、そんな下女は持ち前の明るさと優しさでもって耐え抜き、鬼の様な家主達も徐々に心を許し、格差を越えて打ち解けて行く、云々…そんな小公女のよな映画では決してないのでご注意を。

物語、はしょってスジを紹介すれば、家長と下女、姦通し即妊娠、下女、階段から転げ落ちたり、子供を毒殺したりで、平和だった家庭がズブズブと崩壊に追いやられていく。(説明下手で済みません、部員Zのあらすじで十分でした。)暗黒ホームドラマとでも言いましょうか、見る角度を変えればホラーのようにもコメディーのようにも見て取れる、色々な視点で楽しめる懐の深い映画であります。

入ったばかりの台所でいきなりつまみ食い、戸棚を開いて出てきたネズミの尻尾を躊躇なくつまんだり、なんだかよく分からぬが舌をペロッとだす仕草も奇怪な下女ですが、その個性的なお顔立ち、見なれればなかなか可愛いらしく、貧相な肢体からは暗いエロスがにじみ出ております。禁断を犯す雨夜の濡れ場と服毒心中からの絡みが、ねっとりと脳裏に絡みつくように強く印象に残りました。

病原菌を運んできたドブネズミのごとき扱いの下女ですが、気がつけば、世間体ばかり気にしているピアノ教師と美人妻、生意気な子供達よりも「そんな中流もどき、地獄に陥れちまえ~」とすっかり其方を応援してしまいますね~。とにかく各所に、見所、つっこみ所、いっぱいあってなかなか飽きさせません。そして、そして、ラストで驚愕!今までのすべてを台無しにしてしまうこの締めくくり(部員Zと評価が分かれそうですが…)私的名画殿堂入り決定です!まったくもってこのいかがわしさ、たまらんです。

因みにDVD、邦盤は発売されていませんが韓国盤が入手可能。リージョンオールで日本語の字幕が付いておりありがたい。現存するフィルムはかなり劣化していたようですが、デジタル技術のなせる技、だいぶまともな画質にレストアされており現時点でこれ以上は望めない仕上がりと思えます。

(部員M)

2011年11月11日金曜日

部員各位

芸術の秋到来かと思いきや、ブルブル、トンと寒くなりやがったな。
各自、風邪をひかぬようご自愛を。

2011年11月4日金曜日

2011年10月25日火曜日

韓流にほえろ


『オールド・ボーイ 監督:パク・チャヌク/韓国/2003年

韓国のパク・チャヌク監督作品であり、カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。
作品名の「OLD BOY」は、どの意味で使っているのでしょうか。"Come on, old boy!"みたいな、「ようお前」とか、そういう呼びかけのときに使うあれでしょうか。それとも、同窓生(OB)の意味で? 中年男という意味もあります。あと、日本語的解釈かもしれませんが、いつまでたっても大人にならない子どものような大人? まあ、そのどれもが合うような男たちが、わいわいがちゃがちゃしている映画でした。女子率低い。


妻と娘を持つ平凡なサラリーマン、オ・デスは、泥酔した雨の夜、何者かに拉致された。ユニットバスとベッドと机、そしてテレビしかない部屋。食事は扉の小窓から差し出される餃子定食のみ。自由が制限された生活を強いられるデスはある日、テレビで自分の妻が殺害され、さらに自分が殺人犯にされたことを知る。
自殺しようとするデス。しかし、それすらも許されない。残る道はただ一つ、自分を拉致し、妻を殺害した何者かに復讐することだ。彼は箸で壁を削り、脱出を試みた。何年もかけて、こつこつと穴を掘り続け、やっと外に出られる、と思った矢先、気がつけばデスは建物の屋上に横たわっていた。拉致されて15年経った日のことだ。拉致した何者かがデスを解放したのだ。
デスは、拉致した者の正体をつきとめ、復讐するべく行動を開始する。


最後まで主人公、オ・デスを演じたチェ・ミンシクがかっこよく見えなかった。韓国では、日本人俳優で例えると誰のような扱いなんでしょうか? 私は武田鉄矢にしか見えません。
泥酔するダメ男から入って、妻を復讐するためにシリアスなキャラになって、最後らへんは大切な人を守るためには何でもする男に。愛する人のために一生懸命だという意味では、かっこいいのかも。しかし、いくらなんでも自分で舌を切らんでもいいでしょうに。誰もやれって言うてませんやん。


デスをかくまった女の子、ミド役のカン・ヘギョンが可愛らしかった。笑顔がすてき。天真爛漫な感じが出ていました。
なんでそんな良い子がデスみたいなおっさんを部屋に入れて傷の手当をしてかくまうの? エロゲーの設定か! と思わずにはいられませんでしたが、そこにはちゃんとした意味がありました。なるほどな。そういうものなのか、と納得。


バイオレンス場面が多々ありました。
廊下での格闘シーンは、カプコンのゲーム「ファイナルファイト」を思い出して、ついついコントローラーを握りたくなりましたよ。
でも、格闘シーン以外のバイオレンスはエグうございます。拷問に歯を抜くなんて、そんな発想ないわー。せめて爪やわー。


とまあ、観ていていろいろ思いましたが、肝心の内容は……。
復讐に燃えるデスが、あっけなく敵の正体に辿り着く。そして、とんとん拍子でなぜ、敵が自分を恨んでいるのか思い出す。もう、ストレートな展開でした。ミスリードも何もなしで、あっさり。謎解き映画ってこんなもんだっけか。そう思いながら観ていると、最後の最後で「うわー」とどん引くような事実が隠されていました。これには驚いた。油断していました。


しかし、カンヌのグランプリということで期待していたのですが、個人的には期待はずれ感が否めません。ふつうの映画として観る分にはドキドキできて面白いと思うのですが。個人の内面を描き出しているかどうかまでは、分かりませんでした。



『親切なクムジャさん監督:パク・チャヌク/韓国/2005年

韓国の映画です。韓流ドラマ「チャングムの誓い」のイ・ヨンエ主演。ヨンエさん、とても綺麗です。
しかしヨンエさんの愛らしさをもってしても補いきれないほどのイヤな絵がところどころ入っていて気分が悪くなりました。でもまあ、噂に聞いていたほどの強烈さではなかったかも。(とは言えわたくし、「タクシデルミア」というお下劣な映画でだいぶグロなどには慣れております)。軽く変な物が観たいという方にはおすすめなんじゃないでしょうか。

その美貌で世間を騒がせた幼児誘拐殺人犯のクムジャが出獄。刑務所内では模範囚となり、他の服役囚に献身的に尽くしていたことから「親切なクムジャさん」と呼ばれ、慕われていた。
しかし刑務所から一歩出たとたん、クムジャは親切な仮面を脱ぎ捨てる。彼女は復讐を計画していたのだ。刑務所で親切にすることで仲間を増やしていたのもそのため。クムジャは復讐と贖罪のために動き出す。

刑務所に出たクムジャに豆腐を差し出す神父(牧師?)に「なんていう奇行かしら」と思っていたのですが、韓国では出獄した人に豆腐を食べさせて二度と罪を犯さないように誓わせるという風習があったのですね。知らなかった。

以下、ネタバレです。

ディテールにリアリティのない映画でした。
まずは、警察何やってるの? っていうところです。ちゃんと捜査しろよ。明らかに冤罪じゃないか。それに同じ英語教室なのに違うクラスだからって、なんで真犯人が捜査線上から外れるの? わけわからん。
誘拐を繰り返していた真犯人の動機もわけが分かりません。結局お金めあてなのか、変質者だったのか。お金だけの問題だったら、親に見せるでもない子ども殺害時の映像なんて、わざわざ撮らないしなあ。
あと、クムジャと娘を襲った2人の死体はどう処理したのでしょうか?
あとそれから……と、挙げていけばキリがありません。

立ち位置が分からないキャラもいました。特にクムジャと一緒に洋菓子店で働いている若者と、神父さん。若者が重要な役割をするわけでもないのにクムジャと男女の関係になってしまうし、神父さんはわけもストーキングした挙げ句に真犯人にクムジャの行動を密告するし。なんでしょう。

まあ、リアリティもキャラの立ち位置も無視してお話だけを楽しむ映画なんだとすればいいでしょうか。
前半の、出獄した後のクムジャと服役中のクムジャが交差する流れは楽しかった。聖女みたいな服役中クムジャと悪女っぽいクムジャとのギャップが良い。
後半は真犯人に制裁を加える順番を決めるあたりが、筒井康隆のブラックユーモアみたいで面白かったです。
そして復讐が終わったー、と思ったら映画はまだ続きます。
そう、クムジャの真の目的は、贖罪。脅迫されたとはいえ殺人に手を貸してしまった。殺された男の子に許しを乞おうと、真犯人を殺害したのです。
しかし、クムジャの前に現れた男の子の霊は、クムジャを許しませんでした。
そこでクムジャは気づくのです。復讐と冤罪は違うのだ、と。

えー、あれだけひっかき回しておいて気づいたのはそれ?! と驚きました。
お世話になったクムジャさんに恩返しをしたいという刑務所仲間の気持ちや、殺された子どもの復讐をしたいという親の心を利用して、自分の復讐を果たしたことに良心をとがめられてはいるけども。それぐらいなら、13年間の服役中に気づいてほしかったな。そして復讐は復讐として割り切って行動して、はい、おしまい、としてほしかった。
でもまあ、一生かけて贖罪していくという決意が現れていたので良しとしましょう。

(部員Z)




部員Zが吐きまくっておりますね~素敵だ。w

批判箇所、私にも分かります。うんうん。しかし私は、この2作、結構好きなんです。ちょっと昔のやさぐれ邦画や劇画に通じるものがあって。(オールド・ボーイの原作が日本の劇画とは、つい最近まで知りませんでした。)血まみれ怨み節と言いましょうか、とても扇情的内容で、その場の思いつきのように展開し、未消化ながらも勢いで見せつける。現在のTVドラマの拡大版的日本映画やマーケティングの産物としか言いようの無いハリウッド映画群には無い無茶苦茶さがあって、とってもよいんではないかと思うのです。と言いつつ、数年前の私、『冬ソナ』大流行で、ヨン様、ヨン様とギャーギャーわめく叔母様、お嬢様方を見るだけで、韓流=しょうもない、と勝手に決め付けておりました。しかし『クムジャさん』、地元の映画好きのお友達のすすめもあって、付き合い程度、ちょっと見てみるかなってな具合にレンタルしたのです。事前情報、『チャングムの誓い』の主演女優が出てると聞きましたが、チャングム?ガンダムなら知ってるけど?ってなぐらいのものでした…が、しかし、面白かった。(単純な人間なんです、私。)さらに調子に乗って『オールド・ボーイ』『復讐者に憐れみを』『殺人の追憶』(←これが一番面白かった。)『グエムル / 漢江の怪物』(なぜか、ソン・ガンホ率高し。)と立て続けに借り、そのどれも一定基準より上の満足度。韓流って、なかなかと認識を新たにしました。

確かにネット上の評価をみますとこの2作品は評価が二分しておりますね~この部室でもこの通りで、好き嫌いがはっきりと分かれる映画だったのですね。この差は面白いな~ふむふむ。私のようにささくれ立ったモノを見すぎて、心根の腐った人間にも結構、楽しめるじゃないか、韓流 っとエールを送りたい気もするが、今、必死になって弁護したい気分じゃないしな~ww まぁ、人それぞれって事で、とりあえずこの辺で終わらせておこう。



いや、まだ終われない。
パク・チャヌク監督の映画のポイントは女優が不意をつくようにチチを出す所!
そこん所だけでよし!!と、小声で付け足しておく。ではでは。

(部員M)

2011年10月20日木曜日

第七回 電子おにぎり映画祭
















『下妻物語 監督:中島哲也/東宝/2004年




いやー、今まで観ていなくて損していました。ハイスピード、ハイテンションであっという間にエンディング。もっと観ていたい、と感じさせられた映画は久しぶりでした。

   ロリータ街道を突っ走る女子高生、竜ヶ崎桃子。「18世紀のロココ時代に生まれてこればよかった」と溜息をつきつつ大好きな洋服を買うためにブランド品の偽物をネットで売っていた。ベルサーチの偽物服があると聞きつけ、買いにきたのがレディースの一員でバリバリのヤンキー、白百合イチゴ。これをきっかけにイチゴはひんぱんに桃子の家を訪れるようになるが……。

 まず、下妻の田舎道をロリータ服の女の子がスクーターで突っ走っている、という絵にやられました。田舎とロリ―タとスクーターというトリプルギャップがたまりません。そこで「え?」となったあと、桃子の生い立ちが始まるわけです。

  最初から最後まで実にテンポがいい。それでいて笑えるところも泣くところもちゃんとある。コメディでありながら、人の心の移り変わりをきちんと描いているところがすごいです。
 桃子は幼い頃からずっと自分の道を一人で突き進んでいた。友達がいなくても、親が離婚しても、自分には関係ない。しょせん、人間は一人で生きていくのだからと、人や物事に関心を持たず淡々と生きてきました。

 そこへ、イチゴが現れるわけです。うざい、と思っていくら突き放しても、どこまでもつきまとってくる。しかし彼女と接していくうちに、だんだんと桃子は現実を見つめ、人間らしくなっていく。 深田恭子のロリータがかわいらしかったです。深キョン、見直しました。綺麗なだけの女優さんじゃなかったのですね。土屋アンナのイチゴはハマり過ぎています。かっこいいレディースでした。

 脇を固める俳優陣も豪華。特に驚いたのが、篠原涼子。アーティストになって、シリアスな女優さんになったけれど、やはりダウンタウンの「ごっつええ感じ」時代を忘れていなかったのだなあ、と嬉しくなってしまうような演技でした。良かった。
  観終わったばかりですが、もう一度観たい。何度でも観たい映画です。まだ観ていない方はぜひ!

(部員Z)



特に、阿倍サダヲの一角獣、見得の切り方が絶妙すぎて腹が痛いほど面白い。(このキャラでスピンオフ求む!)そこだけで元を取った感がありますが、全編通してホントに笑わせてくれますね~。しかし単なるお笑にとどまらず友情やら夢やら恋やら人の営みもきちりと織り込まれ、涙腺ゆるますシーンも各所に。

実は最初、イメージだけで敬遠していたんですけど、すんません、なめてました!!

(部員M)

2011年10月15日土曜日

第六回 電子おにぎり映画祭

出展作品

シルバー仮面 第1話 ふるさとは地球 監督:実相時昭雄/TBS/1971年
シルバー仮面 第2話 地球人は宇宙の敵 監督:実相時昭雄/TBS/1971年

部員がそれぞれ持ち寄った映像を予備知識抜きで観あう闇鍋式鑑賞会。
それが電子おにぎり映画祭だ!

幻のヒーロー特撮もこうして気軽にレンタルして見れるとは良い時代になりました。
さてさて、シルバー仮面。けっしてマスクを被った老人が活躍する話ではない


第1話。前半の真っ暗な画面、および上半身しか映らないチグリス星人などユニークな(と言うか違和感のある)シーンについてはウィキペディアに詳しく出ておりますね~ふむふむ。私なりに理解したことを要約すればキャステングがなかなか決まらなかった事により生じた現場への皺寄せ、さらに予期せぬことに見舞われながらの撮影の結果がそのまま反映されたとのこと。締め切りと予算のある仕事はどこの世界も大変ですね。

第2話。これもかなり珍妙な話です。のどかな寒村で起きる宇宙人騒動。とにもかくにも敵のキルギス星人がお茶目すぎです。毒々しい色彩のガスを振りまき、きゃははと笑いながら登場、のっけから狂ってます。さらに谷から落ちてぶら下がるシーンが衝撃的に情けない。そして攻撃法、鶏と卵を青に、立木を赤に、お地蔵さんを黄色に、しまいにパトカーをピンク色に染めあげるのです!(現代のストリートペインターの脅威を予感していたのでしょうか?…んな訳ないか。)そんなこんなで失笑の連続。しかし、こんな宇宙人ですが、自信たっぷりに説教もするのです、「地球人は泥棒」だと。そしてそれに反論できない主人公達…思うに、深いメッセージ性を持ちながらもその表現方法で物語が空回りしてしまう、そのアンバランスさがこのドラマの魅力なのかもしれませんね。

『地球人は宇宙の敵』より。キルギス星人の主張。









私も普段から(自分を含め)そうじゃないかなと思ってましたからドキリとしましたね~…別に反省とかはしないけど。



いろいろトホホですが、でもでも、やはり実相寺監督です!特徴的な広角使い、顔面アップ、ドリーショット、等々いかにもこの人らしい画面構成はさすが。ファンならば見ておいて損はないと言えましょう。(部員M)

2011年10月14日金曜日

Reキューティーハニー!!

ハニーかわいいから描いてみた!

映画でもアニメでもマンガでも
小説でもですが、

決して超大作ではなく
話題作でもなく、
壮大なテーマとかないけど、
でもちゃんと作り込まれてて、
構成・演出にもスキがない…
 
そんな作品が
大好きなんですよオイラ。
 
 
とはいえ、
そんな作品には
なかなか
お目にかかれないんですが、

この“Reキューティーハニー”はまさにそんな作品。
オイラ的、“佳作ベスト3”(褒めてるのか?) に入る
大好き作品でありますよ!
 
 
3巻構成ですが 
3巻とも監督が違うせいか 
絵も違うし全然別の作品にも見えます。

中でも
1巻である「天の巻」が
一番テンポが良くて好きです。
ギャグタッチの軽いノリがとても良い。
絵のタッチもこの巻が一番好きですね。
ずっとこのままのノリでも良かったのになー。
 
 でもって3巻は、
演出も絵柄もエバンゲリオンみたくなってて、 
これはもう別の作品ですね。
  
だがしかし!
いろいろ偉そうに
言っちまいましたが
 
ともかくも
ハニーがカワイイし!!
なっちゃんがカッコいい!! 
大事なのはソコでありますよ!  
  
以上!!
ハニーーフラァーッシュっ!!!  
 (部員0)

2011年10月11日火曜日

第五回 電子おにぎり映画祭

出展作品

 Re:キューティーハニー 「人」の巻   東映 /2004年/監督:摩砂雪


部員がそれぞれ持ち寄った映像を予備知識抜きで観あう闇鍋式鑑賞会。
それが電子おにぎり映画祭だ!

引き続き、部員Oお勧め、ガイナックス版「キューティーハニー」三部作の完結編。じっくり鑑賞。




「天」とも「地」とも違うトーンです。のっけからエヴァっぽいな~と思いましたが全体的にそんな感じの演出ですね。今回の見所は" 秋 夏子 " もう一人の主役と言えるほどの活躍ぶりです。なるほど「地」での成り行きがこう言う形になるとはね。実写版ではハニーと夏子の" 友情 " でとどめていましたがこちらは更に進んでおり" 恋愛 " の域ですな。五代目ハニーに男はいらない、と…これは人によっては評価が分かれそうな展開ですね。ハニーの純粋さを崩さずなおお色気アニメとしての使命を果たそうとした結果でしょうか。オールドスクールな私としてはこれではなんだかハニーに見えないな~と。でも昔のことを忘れて見ればそれなりに面白いアニメではあります。結局、三部作の中で、スラプスティクな一作目「天」の巻が一番印象にのこりましけどね~はっちゃけ過ぎてて目が疲れたけども~懐かしくもあり目新しくもありでよい作品でした。そんなわけで久々のアニメ、堪能いたしました。ありがとうございます部員O!(部員M)

2011年10月10日月曜日

第四回 電子おにぎり映画祭

出展作品

 Re:キューティーハニー 「天」の巻   東映 /2004年/監督:今石洋之
 Re:キューティーハニー 「地」の巻   東映 /2004年/監督:伊藤尚往


部員がそれぞれ持ち寄った映像を予備知識抜きで観あう闇鍋式鑑賞会。
それが電子おにぎり映画祭だ!



今回は部員O選出、ガイナックス製作の五代目「キューティーハニー」三部作の上中編。


こんなのあったんですね。いや~全然しらなかったですわ。佐藤江梨子主演の(実写)ハニーは観てましたがこれはそこから派生したものだと部員Oより情報いただきました。私は90年代以降、ジブリ作品やエヴァぐらいは見てますが他のアニメは殆ど見てませんでしたので今回はちょっと新鮮な気持ちで見ることができました。さて、前中篇をたて続けで鑑賞させていただきましたが「天」と「地」ではだいぶ質が違うのですね。「天」は私なりに一言で言うならば「超アッパー」。いや、でもホント良くできてますね。面白かった。背景やBGMが初代ハニーっぽくって再放送を繰り返し見て育った私には高ポイント。しかしながらめまぐるしく変化する場面展開、畳掛けるよに裸体暴力裸体暴力裸体暴力裸体暴力…ジジイには正直ついて行くのが大変ではある。なんだか、「時計じかけのオレンジ」のルドピコ治療法を思い浮かべてしまった。40分程度の尺でしたがこれだけハイなテンションですと体力的にそのぐらいが限界。あと5年早く出会っていれば…(笑)。でも、この過剰なサービス精神、原作者、永井壕への愛を感じますね~うんうん。それをみた直後だからか「地」は「並」って感じでした。TVでやってる普通の演出のアニメって感じ。その分落ち着いて見れましたが平凡といえば平凡。これは最終話「人」の巻への箸休めなのでしょうか?やっぱり「天」よりも凄まじい事になってるんでしょか、ね?部員O、体調を整え続きを楽しみにしております!(部員M)

2011年9月29日木曜日

第三回 電子おにぎり映画祭

出展作品

怪談新耳袋 第20話 『修学旅行』 BS-i /2003年/監督:三宅隆太

部員がそれぞれ持ち寄った映像を予備知識抜きで観あう闇鍋式鑑賞会。
それが電子おにぎり映画祭なんだって。

と言う事で、映像版新耳袋で一番怖と思われる一本を!


修学旅行先の旅館のトイレで女子高生が幽霊に遭遇する。ただそれだけの話なのですが、むちゃむちゃ怖いです。幽霊登場シーン、始めてみたときはあんまり怖くって指の隙間から鑑賞しました。(いい大人が・・・)その後2回3回見返しましたがまだまだ怖い。そして今回、久しぶりに見たけどやっぱり怖~い。山海塾か白虎社みたいな白塗りのあんよがにゅい~と出てきてあり得ない角度で顔が・・・あぁ、もう、いや。鑑賞後、部室は怪談語り合いの場となりました。のっていただきありがとうございます。
あ、いま気がつたのですが、ひょっとして皆さんドン引きだったのでしょか・・・(部員M)



コレまじでこえぇーって!!
シャレになってないです。
  びびりんぼの部員Oには劇薬指定です。

5分という短さがまた恐さ増幅!
さらに鉄板のトイレネタ。  
スキがないっすよ。


お約束展開なんで
わかっているのに
恐くてビビる。
マジでトイレ行けないよ。

 勘弁して欲しいっす 
部員Mさま…
(部員O)


部員Mさま、「新耳袋9巻」ありがとうございました。東北帰りにお返しいたします。
「新耳袋」の映像化。やめてほしいものです。この画像見ただけで尿漏れモノですもん。夢に出ますわー。
やっぱり一番恐いのは「怪談」スタイルなんでしょうか。
なんで登場人物がこんなもん見るはめになったのか、見たモノは何だったのか、分からないのがいい。映像だとさらに、「それで登場人物はどうなるの?」が分からないので恐さ倍増。恐怖のピークで終わる、というキレの良い感じがたまりません。
明日泊まるキャンプ場が真っ暗なので、心の準備をしてから行きたいと思います。

(部員Z)

2011年9月28日水曜日

第二回 電子おにぎり映画祭

出展作品

オムニバス映画“世にも怪奇な物語”より『悪魔の首飾り』 仏・伊/1968年/ 監督:フェディリコ・フェリーニ

部員がそれぞれ持ち寄った映像を予備知識抜きで観あう闇鍋式鑑賞会。
それが電子おにぎり映画祭だ!

今回はイタリアの巨匠フェリーニ監督の怪奇映画。

エドガー・アラン・ポーの小説を元に作られた短編映画3作品をまとめたオムニバス『世にも怪奇な物語』。その中かで特に傑出した出来の『悪魔の首飾り』はホラー映画マニアにも評価が高くフェリーニ中期の傑作と言われております。さぁ、御開帳。アル中ですっかり落ち目の英国人俳優(テレンス・スタンプ)がイタリアの空港に降り立てばそこはすでに異次元。街の雑踏、TV局、妙な映画祭、魑魅魍魎な映画関係者たち、真夜中の街道、金色のフェラーリ、美少女の悪魔・・・どこを切り取っても異様な光景。計算してか行き当たりばったりなのか分からないが唐突な場面展開が画面への集中力を高めてくれるナイスな演出にも痺れる。襟首引っかまれたようにグイグイ引き込まれクライマックスへ夜中の大暴走!そして、スパッと(←見た人なら分かる。)ジ・エンド!短編なれど気分は満腹です。(部員M)




秋ふかし
今日も企む
“電子おにぎり”
(字余り)

実は…
フェリーニ作品ほとんど観てない部員Oっす。
人生で一度もチョイスしてないジャンル。
コテコテど派手なハリウッド映画大好き少年だったので、どうも縁がなかったみたい。
うれし恥ずかしフェリーニ初体験と言って良いのだけど、いやいや今まで人生損しておりましたぁー。
そもそも、
冒頭の飛行機内のシーンから変だもんね。
フェリーニはリアリティなどとケチなことは言わない。
自由奔放なイメージと造形、そして色彩。とにかく絵画的な感覚。
でも、実験的な映画にありがちな退屈さはない。スリリングで不気味な演出に、最後まで釘付けでした。
ここまで独創的に『料理』されては、さすがのポーも脱帽でしょう。
それにしても、
今までスゲーと感心していたシュールな映像表現は、
その殆どがフェリーニを祖としていたとは!!
そう思える程の衝撃…
乱暴だけれど、
某ま◯かマ◯カのシュールな魔女のシーンなんかも、辿ればフェリーニにたどり着くハズ。
ええもん観させていただきました。

だがしかし
まず持って自分ではチョイスしない作品が観れるのが
『“電子おに”キネマ』の良いところ!

でも部員Mさま
コワイの苦手だから、ホラーはあんまりチョイスしないでね…
















たしかに悪魔の出てくるシーンは怖いですよね~どうしてあんな中途半端な構図で映したのか意味不明な感じも強烈ですよね~
みんなが怖がるのが面白いのでホラーはちょいちょい入れていこ~っと。(よくよく考えれば部員Oも“怪奇大作戦”じゃないですか! 笑)
(部員M)



フェリーニ監督作品は初めてです。部員Zです。
シュールレアリスム的というか、悪夢を再現したかのようなシーンの数々。すごいです。特に主人公がタクシーの中から観る光景。陽炎でゆらゆら、黄色い光、黒い影くっきり。そんな中で、道路のど真ん中で女の人が水着でいたり、食肉運搬車が走っていたり。シュールすぎます。
そして、出てくる人みんなが妖怪じみていました。どうやって集めたのでしょうか?!
監督が「お前すげえユダヤ人っぽいから来い」とスカウトしたり、あるいは「とにかく目のでかい女を連れて来い」とスタッフに命じたりしたのでしょうか。謎です。これがフェリーニ作品か! と怖れおののきました。他の作品も鑑賞したいです!

2011年9月27日火曜日

第一回 電子おにぎり映画祭

出展作品

怪奇大作戦 第25話『京都買います』TBS/1969年/ 監督:実相時昭雄
怪奇大作戦 第23話 『呪いの壷』TBS/1969年/ 監督:実相時昭雄

部員がそれぞれ持ち寄った映像を予備知識抜きで観あう闇鍋式鑑賞会。
それが電子おにぎり映画祭だ!(りきんで言う程の事でも無いが。)

今回は部員O選、円谷プロの傑作TVシリーズより2作品。
第一回目にして結構ヘビーな内容に。







部員Oっす。
第1回電子おにぎり上映會、
略して

「“電おに”キネマランチ!!」

主に昼休みのランチミーティングならぬ
“ランチキネマ活動”なんである。
時々放課後にも実施中。


で、
早速だけど実相寺昭雄監督。

「実相寺作品にはこだわりを持つぜ」
というと歳がバレるけど。

そんな中から
実相寺監督の有名どころの作品を
華麗にかわしつつ
「怪奇大作戦」“京都2部作”。

「京都買います」は
あまりにも有名なので、
ここは
「呪いの壷」をイチ押しとしたい。

日本古来の「家」という伝統。
代々伝わる家柄という関係の残酷さ。
そこに生まれる逃げ場のない状況と閉塞感。

犯人はあまりにも刹那的に
そのカタチを破壊し復讐していく。

クライマックスの
寺院が燃えるシーンが有名だが、
ラストシーンのやるせなさの方が胸に刺さる。

さまざまな余韻を残す傑作である。

30分ドラマで
ココまでキチンと作り込める。
さすがです。


てな感じで
各人が
大好きな映像作品を持ち込み
部員一同で
さらに勝手に楽しんでみる

「“電おに”キネマランチ!!」

ぼちぼちうふふと活動中!!





のっけからダークサイドをつっぱしるラインナップ(笑
これから先、どのように深化していくのか誠に楽しみな映画祭となりましたネ。

実は、『京都買います』『呪いの壷』は子供のころ深夜TVで見たことがあるのですが、記憶があいまいでストーリーをまともに覚えていませんでした。でも、岸田森が振り向くと尼さんが仏像に変身(?)しているシーンや寺が大炎上するシーンだけは脳にがっちりとインプットされていたようで、久しぶりに引き出しの奥から出てきた感がありましたね~懐かしい。この2作品のテーマは同監督による劇場用長編映画『無情』(ATG /1970年)に引き継がれているみたいですね。一年ほど前にツタヤでレンタルして見ましたが主人公の行動一挙手一投足、すべてが腹の立つ胸糞悪い映画でした。(笑

(部員M)




部員Oと部員Mとは世代が違いますゆえ、「怪奇大作戦」を観るのは初めて。
「京都買います」の回ですが、仏像マニアの女性にわたくし、とても共感しましてございます。仏さんを大事にせん奴に、仏像を預けておくわけにはいくまい。「京都中の仏像を保護して、仏像の楽園を築くのや!(あ、極楽か)」というような気持ちは分かります。そういう極楽の仲間に加わってみたいものです。
しかし、京都というチョイスがイマイチですね。京都人って、なんだかんだ言って地元愛というか地元へのこだわりが強いですし。
舞台が奈良なら、仏像も人口より多いですし、よりリアリティがあったかもです。まあ、都市開発はされてませんけどね。

(部員Z)

はじめまして

大好きなものたちに向かって、犬のように真っすぐに駆けて行くのだ。


そうだね、そうしようかな、ワンワン。