『下妻物語』 監督:中島哲也/東宝/2004年
いやー、今まで観ていなくて損していました。ハイスピード、ハイテンションであっという間にエンディング。もっと観ていたい、と感じさせられた映画は久しぶりでした。
ロリータ街道を突っ走る女子高生、竜ヶ崎桃子。「18世紀のロココ時代に生まれてこればよかった」と溜息をつきつつ大好きな洋服を買うためにブランド品の偽物をネットで売っていた。ベルサーチの偽物服があると聞きつけ、買いにきたのがレディースの一員でバリバリのヤンキー、白百合イチゴ。これをきっかけにイチゴはひんぱんに桃子の家を訪れるようになるが……。
まず、下妻の田舎道をロリータ服の女の子がスクーターで突っ走っている、という絵にやられました。田舎とロリ―タとスクーターというトリプルギャップがたまりません。そこで「え?」となったあと、桃子の生い立ちが始まるわけです。
最初から最後まで実にテンポがいい。それでいて笑えるところも泣くところもちゃんとある。コメディでありながら、人の心の移り変わりをきちんと描いているところがすごいです。
桃子は幼い頃からずっと自分の道を一人で突き進んでいた。友達がいなくても、親が離婚しても、自分には関係ない。しょせん、人間は一人で生きていくのだからと、人や物事に関心を持たず淡々と生きてきました。
そこへ、イチゴが現れるわけです。うざい、と思っていくら突き放しても、どこまでもつきまとってくる。しかし彼女と接していくうちに、だんだんと桃子は現実を見つめ、人間らしくなっていく。 深田恭子のロリータがかわいらしかったです。深キョン、見直しました。綺麗なだけの女優さんじゃなかったのですね。土屋アンナのイチゴはハマり過ぎています。かっこいいレディースでした。
脇を固める俳優陣も豪華。特に驚いたのが、篠原涼子。アーティストになって、シリアスな女優さんになったけれど、やはりダウンタウンの「ごっつええ感じ」時代を忘れていなかったのだなあ、と嬉しくなってしまうような演技でした。良かった。
観終わったばかりですが、もう一度観たい。何度でも観たい映画です。まだ観ていない方はぜひ!
(部員Z)
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