2012年12月20日木曜日

『死にぞこないの青 乙一著/幻冬舎文庫/2001年

おとなしく控えめな性格の小学生、マサオは、担任教師、羽田に些細な出来事で目をつけられクラスのつまはじきものに仕立て上げられてゆく。暗く悶々とした学校生活を送るマサオ。そんな彼の眼の前に青い肌、片目はボンドかなにかで塞がれ口は靴ひもで縫い付けられ拘束衣を着せられた不気味な男の子”アオ”が現われて。。。
前半は精神的な虐待の描写が延々と続き読み進めるのがつらいような話でしたが後半からアオが解き放たれていき、マサオの覚悟が固まって羽田先生に報復開始。とたんに元気になって読み進めるのが楽しい感じ。ラストまであっという間でした。やはり、私はマゾでなくサドなのでしょうな・・・。それはともかく、結局、我が身を守るのは自分しかいない。理不尽な行いに怒りを感じるならばそれなりの覚悟で戦わなければならないんだと言うメッセージを受け止めました。しかし、現実に学校でイジメにあってる子や会社でパワハラにあってる大人がこれを読んでどう思うんだろうか?地獄にとどまるか一歩踏出し更なる地獄を経験するか・・・がんばりぬいたらといって幸福な未来があるのかどうかは保障が無いからね~。現実は過酷ですよ、たとえ一人倒せたとしても次々と敵は現れますから。以上、乙一さん初体験でした。(部員M)

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