2012年5月16日水曜日

「レンタネコ」観た。



猫好きにはたまらない映画。


















 都会の片隅にひっそりと
一軒のレンタルネコ屋がありましたー

「レンタぁ〜ネコ、ネコ、ネコ。寂しいぃヒトにぃ、ネコ、貸します」

猫たちをリヤカーに乗せて出かけ、
河原を歩く一人の女性。
人と猫との出会いを手伝う
主人公サヨコ…。

久々の部員Oです。

いやいや
何とも不思議な、
ほんわかとした映画でした。



監督・脚本は、
「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」
荻上直子

独特の世界観と雰囲気は、
この作品でも健在です。

とにかく猫好きにはたまらない映画。
17匹の猫たちがとても自由に
元気で猫らしくしているのは、
なんとも目尻が下がりっぱなしでした。



猫を借りにくるのは、
寂しい人たち。

その猫たちを借りにくる人も、
また味わい深い。

「心の穴ぼこ、埋めてください。猫が埋めてくれます」

猫を借りにくるお客に、
サヨコが必ず言う言葉です。

猫を借りにくるのは、
みんな寂しい人たちなのです。

それも、
今の社会で本当に増えている
寂しさのカタチ。

サヨコは、
そんな人たちと
猫を結びつけていきます。


最初のお客さんである
老婦人のエピソードは
まったくもってやられました。
ただでさえ涙腺がゆるゆるなのに
猫ネタでこられては
なす術がありません。

まだ序盤なのに号泣でありました。


でも、そこは荻上監督。
少しも説教臭くはなく、
大げさでもなく、
むしろクールに語りかけてきます。

老婦人のエピソードの終盤、
息子とゼリーのくだりは
普通なら感情的に表現するはず。

ところが
本当にサラリと
サヨコは退場してしまう…。
それがとても心地よく
むしろグッとくるんですよね。


ハリウッド映画に慣らされていると
拍子抜けするような
静かな演出と呼吸の映画なのです。

大きな盛り上がりも
スペクタクルもほぼないままに
物語はラストまで
緩やかにコミカルに進んでいきます。



女性にしか撮れない
呼吸とリズム

いつもそうですね、荻上の作品は。
とても心地よいリズム、テンポ。
オトコにはなかなか撮れないでしょ。

女性にしか撮れない呼吸とリズム。
血液の循環みたいな、
緩やかで穏やかな時間の流れ。

直線ではなく、
らせん状に
ゆっくりと進んでいく
時間軸とストーリー。

うーん。
何とも素晴らしい空間に浸れる
110分ですよ。



猫の可愛さと
荻上世界を堪能出来る映画

「レンタネコ」

これはぜひ
劇場で観ていただきたいです。








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